昨年の11月EMSの内間さんが発起人となり那覇市のギャラリーショップレネミアとの共同企画でイラストレーターのMIREIさんとの2人展を行った。一年程前から準備をしていたのだがコロナ禍で展示は二度程延期を余儀なくされ私達はオンラインでのミーティングを重ね、いつしかインスタグラム上で日記のようなやりとりを始めた。離れていながらも画像を通して重ねていく日常や日々の工夫、インスピレーションの源に触れ、見ているもの、伝えたいものを客観視する機会にもなった。
その時に制作した作品の何点かは今も引き続きレネミアにて見ていただけるのだが、ある日HPを介してある作品のタイトルとテーマについてお問い合わせを頂いた。
それは「こどもの時間」というタイトルを付けた作品だった。こどもの伸びやかさや、制限を決めないで物事に取り組む姿、天真爛漫さに私自身が常々感動したり癒されたり勇気づけられていること、そしてそのことは大人になった私たちの心にもちゃんとあるもので大切にしていきたいと思った事、またその当時コロナの閉塞感の中でより一層こどもから受け取るものが多く、再確認した事などをお伝えした。するとお返事でその方は保育園にお勤めでこどもたちのアートルームに飾る作品をお探しだったとのことが分かり驚いた。
想いが循環すること、そのことは絵を続ける中で私に感謝の気持ちと作品を観てもらう機会の貴重さを改めて教えてくれる。絵が誰かの前にあった時、はじめてその絵は生きる。絵についてその方が感じたことをお聞きするのもとても嬉しい。言葉に出来ない響きのようなものをその方の言葉で表現される時、新鮮な広がりが生まれる。その広がりがあることがこの世界の喜びであるし、見る日によって想いは変化する事だろう。その方の景色のひとかけらとして絵が存在してくれたらこんなに嬉しいことはない。
提供:琉球新報