STATEMENT作品について

 

私の制作は、できるだけ無意識を心がけながら色を選び、
時には目を閉じたり体をできるだけ自由に動かしながら
体内に流れる音楽やリズムに沿って筆を動かす。

その行為によって支持体に現れた空間に、
私が自然や人とのふれあいの中で感じた「素」のようなものと
共通したものを見つけ、それをきっかけに絵画として形作っていく。

私という概念的意識が判断している世界は狭く、
本来世界は様々なエネルギーに満ち溢れ循環している。

その取り巻く環境に耳を傾け、見つめ、携える。
それは本来人が体の中に取り込み、

生きていくうえで大切な糧であったのではないか。
またそれを感受する心の領域は個々人の聖域であろう。
絵画という平らで時間の制限の無いものは無限の空間であり、

また色という光によって生まれたものを用いることで、
心の無意識の状態にまで光をあてる。

私はできるだけそのものが無理なく形作ることに集中し、
私が見つめる様々な事物の素となるものを作品を通して鑑賞者と共有したい。

齋 悠記